教材・道具一般的な工夫
視覚タイマーで、残り時間を目で見せる
この記事は、公開されている資料をもとに編集部がまとめたもので、専門家の監修は受けていません。根拠にした資料は記事の最後の「出典」に載せています。下書きの作成に AI を使い、出典との照合は人が行っています(編集方針)。
残り時間が目で見てわかるタイマーを、子どもから見える場所に置き、終わりと次の活動を伝えます。
「あと5分ね」と言っても、時間の長さは子どもには見えません。視覚タイマーは、残り時間を色の面積などで目に見える形にして、「あとどのくらいで終わるか」を伝える道具です[1]。日本の学校向けの手引きにも、時間を目に見える形で示す工夫が出てきます[2]。
研究でわかっていることは、まだ多くありません。待つ練習と組み合わせて待てる時間が延びた1人の子どもの報告[3]や、テスト中にタイマーが見えると不安が減ったという報告[4]はありますが、家庭での切り替えに効くかどうかを確かめた研究は見つけられませんでした。また、前もって知らせるだけでは、切り替えのぐずりが減らないこともあります[5]。
お子さんの様子を見ながら、合うかどうかを試してみてください。
用意するもの・時間の目安
- 視覚タイマー(このサイトの無料ツール、または市販のもの)
- 時間の目安:1〜30分
試し方
- タイマーを子どもから見える場所に置き、「これがなくなったら、おしまい」と何のためのものかを伝える[1]
- はじめは短い時間から使う[1]
- 残りが少なくなったら、「あと少しだね」と途中で知らせる[1]
- 時間になったら、終わりをはっきり伝え、次にすることを示す[1]
次にすることを絵で見せる(このサイトのタイマーでは「つぎ」の絵を出せます)と、伝わりやすいことがあります
- 切り替えには少し時間をとり、切り替えられたらほめる[1]
止める・変える目安
- タイマーを見ると不安が強くなったり、泣いたりするときは、使うのをやめる
- 音が苦手な子には、音なし(または控えめな音)にする
合わないときは
- 時間をもっと短くして、「できた」を経験しやすくする
- 終わったあとに、子どもの好きな活動が来るようにする(まず/つぎボードと組み合わせる)
- 予告だけでは切り替えが難しいときは、切り替えのやり方そのものを見直す(短く区切る、終わりの合図をいつも同じにする など)
気をつけること
- 視覚タイマーの効果を調べた研究は少なく、一般的な工夫として紹介しています
- 前もって知らせるだけでは、切り替えのときのぐずりが減らないこともあります
使える無料ツール
出典
視覚タイマーは、切り替えまでの残り時間を目で見せる道具として公的な教育機関の資料で紹介されており、見える場所に置いて説明する、短い時間から始める、途中で知らせる、終わりをはっきり伝える、切り替えたらほめる、という使い方が示されている
- Visual Timer(Autism Toolkit). Texas Education Agency. 該当箇所:「How to Use」/公的機関の情報/この内容を直接述べている/参照日 2026-10-22注:米国テキサス州の教育当局による自閉症支援の資料。研究の引用はない
日本の学校向けの手引きでも、タイマーやスケジュールで時間や活動の見通しをもてる子の例や、活動をやめられないときに残り時間を目に見える形で示す工夫が挙げられている
- 障害のある子供の教育支援の手引~子供たち一人一人の教育的ニーズを踏まえた学びの充実に向けて~(第3編). 文部科学省, 2021. 該当箇所:印刷ページ p.256「2(2)① 通級による指導(自閉症)の対象」、p.313「Ⅹ 注意欠陥多動性障害 ② キ」/診療・支援ガイドライン/関連する内容を述べている/参照日 2026-10-22注:それぞれ自閉症・ADHD のある子どもについての記述で、例示にとどまる
研究は少ないが、発達障害のある子ども1人で、タイマーとごほうびを少しずつ遅らせる手続きを組み合わせて待てる時間が延びた報告がある
- Grey, I.、Healy, O.、Leader, G.、Hayes, D.. Using a Time Timer to increase appropriate waiting behavior in a child with developmental disabilities. Research in Developmental Disabilities, 30(2), 359–366, 2009. 該当箇所:抄録/その他/この内容を直接述べている/参照日 2026-10-22注:対象は1人。タイマー単独ではなく、待つ練習と組み合わせている。場面は「待つ」こと
7〜9歳の子ども44人で、算数のテスト中にタイマーが見えると、テスト前の不安と気がそれる行動が減った(成績は変わらなかった)という報告がある
- Hallez, Q.、Vallier, V.. Time on Their Side: How Visual Timers Affect Anticipatory Anxiety, Performance, and On-Task Behavior in Elementary Math Assessments. European Journal of Investigation in Health, Psychology and Education, 15(12), 243, 2025. 該当箇所:3.1「Math Performance & Evaluation Anxiety」、3.2「Off-Task Behavior and Glances at the Time-Timer」/その他/関連する内容を述べている/参照日 2026-10-22注:学校のテスト場面の研究で、家庭での切り替えの研究ではない
切り替えの前に予告するだけでは、とくに好きな活動を続けたい・嫌な活動を避けたいことが理由のとき、切り替えのときの問題が減らないことがある
- Brewer, A. T.、Strickland-Cohen, K.、Dotson, W.、Williams, D. C.. Advance Notice for Transition-Related Problem Behavior: Practice Guidelines. Behavior Analysis in Practice, 7(2), 117–125, 2014. 該当箇所:「When Advance Notice is Recommended / Not Recommended」の節、Fig.1、Table 1/専門家の合意・解説/関連する内容を述べている/参照日 2026-10-22
- Cote, C. A.、Thompson, R. H.、McKerchar, P. M.. The effects of antecedent interventions and extinction on toddlers' compliance during transitions. Journal of Applied Behavior Analysis, 38(2), 235–238, 2005. 該当箇所:結果、Figure 1/その他/関連する内容を述べている/参照日 2026-10-22注:声による2分前の予告。視覚的な予告ではない