大人がゆっくり話して、最後まで聞く

大人がゆっくり、間をとって話します。子どもがつっかえても、さえぎらずに最後まで聞きます。聞き終えたら「〜なのね」と、話の中身を返します。
「ゆっくりでいいよ」「落ち着いて」と声をかけても、子どもがそのとおりに話すのは難しいとされています3。大人がゆっくり話すと、子どもも自然とゆっくり話すようになります2。
話し方を直すより、話の中身に耳を傾けます。最後まで聞いてもらえると、子どもは伝わったという安心感をもてます1。
こうした関わり方で吃音そのものが減るという根拠は、まだ弱いとされています。ただ、親子の気持ちの負担を軽くすることが期待されています6。

すること
- 大人がゆっくり話す
- 最後まで聞く
- 「〜なのね」と内容を返す
- 質問を減らす

しないこと
- 「ゆっくり」「落ち着いて」「深呼吸して」と言う
- 話をさえぎる
- 言いたいことばを先に言う
日本の吃音の研究班のリーフレットと、イギリスの公的医療の情報より。
試し方
- 大人がゆっくり、間をとって話す。家族どうしの会話も、ゆったりと125
「ゆっくり話して」と言うより、大人がゆっくり話すほうが伝わります。
- 目の前のことを、短くわかりやすい文で話しかける234
- 子どもがつっかえても、さえぎらない。言いたいことばを、先に言わない14
- 目を合わせたり、うなずいたりして、話の中身を聞いていることを伝える25
- 話し終えたら少し間をおいて、「〜なのね」と内容をくり返して返す1235
「ワワワワンワンいたよ」には「犬がいたのね」と返します。
- 質問は減らす。聞くときは「これでいい?」のように、ひとことで答えられる聞き方にする125
「どうして?」は、「〜したのね」と確かめる言い方に変えてみます。
止める・変える目安
- 話しかけられるのを嫌がるときや、遊びに夢中なときは、無理に話させない
合わないときは
- 毎日少しの時間、1対1でゆっくり話す時間をつくる
- 家族で話すときは、話す順番を決める
- 話し方ではなく、得意なことを見つけてほめる
気をつけること
- この関わり方で吃音そのものが減るという根拠は、弱いとされています。ねらいは、子どもが話しやすくなり、親子の気持ちの負担が軽くなることです
- 吃音は育て方のせいではありません。話しかけ方を変えるのは、話しやすい環境を特別に整えるためです
関連する困りごと
出典
原由紀(文責)、井上史子(絵). おこさんがどもっていると感じたら(幼児吃音臨床ガイドライン 添付資料5). 日本医療研究開発機構(AMED)研究班, 2021. 内面「対応方法は?」
AMED研究「発達性吃音の最新治療法の開発と実践に基づいたガイドライン作成」研究班. お子さんがどもっている(吃音がある)と感じたら―家族にできるお子さんへのサポートについて―(幼児吃音臨床ガイドライン 添付資料4). 日本医療研究開発機構(AMED)研究班, 2021. p.6–7「子供が楽に話すためにご家族ができること」1・2・3・6
AMED研究「発達性吃音の最新治療法の開発と実践に基づいたガイドライン作成」研究班. 吃音(どもり)って何?―多くの皆様に知っていただきたいこと―(幼児吃音臨床ガイドライン 添付資料1). 日本医療研究開発機構(AMED)研究班, 2021. p.6「どもっている子供がいたらどうすればいい?」
Stammering - Treatment. NHS(英国国民保健サービス), 2023-03-17. 節「Speaking to someone who stammers」
Stuttering and Cluttering. American Speech-Language-Hearing Association(米国言語聴覚協会), 2026-05-01. 節「Typical Disfluencies, Stuttering, and Cluttering: How to Tell Them Apart」(周りの人の行動の例)
Guitar, B.(compiled by)、Conture, E. G.(compiled by). 7 Tips for Talking with Your Child. The Stuttering Foundation(米国の非営利団体). Tips 1・2・3
幼児吃音臨床ガイドライン作成研究班(研究開発代表者 森浩一). 幼児吃音臨床ガイドライン(第1版). 日本医療研究開発機構(AMED)研究開発課題「発達性吃音の最新治療法の開発と実践に基づいたガイドライン作成」, 2021-09. Q8・A8(p.49)、「環境調整法の留意点」(p.50)