おうちサーキット
- 運動・感覚
3〜5歳(園児)、6〜8歳(小学校低学年)|1回 15〜30分

クッションの山、机と毛布のトンネル、床に貼ったテープの線など、家にある物で短いコースを作ります。くぐる・跳ぶ・はう・渡るを、順番に回ります。コースは子どもと一緒に作り、慣れたら置き方や順番を変えていきます。
雨の日など、家の中で体を動かしたいときの遊びです。幼児期運動指針は、3〜4歳ごろに巧技台やマットなどで全身を使って遊び、渡る・跳ぶ・はうといった動きを経験することを挙げています。子どもが自分から何度もくり返したくなる環境も求めています2。家では、クッションの山や机と毛布のトンネル、テープの線で、その代わりになるコースが作れます8。
大人がコースを用意して回らせるだけでなく、何を置くか、どこを通るかを子どもと一緒に考えます。同じ指針は、大人が一方的にさせず、子どもが自分で考え、工夫し、挑戦できるようにすることを求めています12。子どもが考えたしかけが少し難しそうなら、大人がそばで手を添えます。
コースは床の上だけで作ります。消費者庁によると、比較的低い所からの転落でも、頭の骨折などのけがが起きています13。公園の遊具をコースに使うときは、6歳以下は大人が付き添い、目を離さないようにします。ひもやフードのない服で、水筒やかばんは外して遊びます14。
期待すること

くぐる・跳ぶ・はう・渡るなど、体を移動する動きとバランスをとる動きを、1つの遊びの中で続けて経験できる1

5〜6歳ごろには、「走ってきて跳ぶ」のように、いくつかの動きを止めずにつなげる経験にもなる3

コースを一緒に考えたり、上・下・くぐる・まわるなどの位置のことばを体で使ったりする機会になる、とされている4
療育での使われ方
- 知的障害の特別支援学校の小学部で、サーキット運動を体育に取り入れた実践があります。教師が作業療法士の助言を受け、姿勢やバランスの向上をねらって、くぐる・跳ぶ・平均台・島わたりなどを組み合わせました。5
- 発達性協調運動症(体をうまく動かすのがとても苦手な状態)の国際的な推奨は、生活や遊びの動作そのものを練習する方法を、最も強く勧めています。家族も関わって練習の機会を広げることや、いろいろな動きを含む遊びへの参加を後押しすることも挙げています。サーキットという名前は出てきません。6
- 児童発達支援ガイドラインは、子どもの成長は遊びを通して促されるとしています。「運動・感覚」の領域では、姿勢や動作の基本の力や、体を移動する力を伸ばすことをねらいに挙げています。7
くぐる・はう
- テーブルと毛布のトンネル
- 大きな段ボール箱のトンネル
越える・跳ぶ
- 山のように積んだクッション
- 水を入れた牛乳容器2つとほうきの柄のハードル
渡る・よける
- マスキングテープの線
- 平らな板
- おもちゃの列の間をジグザグ
オーストラリアの南オーストラリア州教育省の、保護者と親子の集まり向けの活動案(2024〜2025年更新)より。
用意するもの
- クッション・座布団
- マスキングテープ
- 机と毛布(トンネル)
- 大きめの段ボール箱
- ぬいぐるみやおもちゃ(ジグザグの目印)
- 順番の札(絵と文字で)
遊び方
- 子どもと一緒に、家にある物で3〜5か所のコースを作る。机と毛布のトンネルをくぐる、クッションの山を越える、テープの線の上を歩く、おもちゃの間をジグザグに進む、など89
- 順番を絵と文字の札にして、床や壁に貼っておく11
- 大人が先に1回まわって見せる。「ここはくぐるよ」と、場所ごとに声に出して説明する910
- 子どもが回る。大人はそばで励まし、必要なところは手を添える。何周したかを一緒に数える1112
- 慣れたら、置き方や順番を変えたり、逆回りにしたりする。「次は何を足そうか」と子どもに聞いて、一緒にしかけを考える891012
やさしくする
- 2〜3か所に減らす
- テープの線を太く、まっすぐにする
- 大人が手をつないで一緒に回る
むずかしくする
- 「走ってきて跳ぶ」のように、動きを止めずにつなげる
- 「カンガルーみたいに3回跳ぶ」のように数を入れる。時間を計る
- 頭にお手玉をのせて回る
止める目安
- 慣れてきて、高い所から跳ぶ・押し合うなど危ない動きが出てきたら、いったん止めて置き方を見直す
- 疲れた・痛いと言うとき、嫌がるときは休む
気をつけること
- 研究の多くは、園や学校で先生が行ったものです。家でのサーキット遊びや、発達が気になる子での効果は、まだわかっていません
- ソファ・椅子・テーブル・ベッドなど高さのある家具の上や、階段は、コースに入れません。机は下をくぐるだけにします
- クッションや段ボールがすべる床では、マットを敷くか、別の場所にします
あわせて試せる工夫
関連する困りごと
出典
幼児期運動指針. 文部科学省(幼児期運動指針策定委員会), 2012-03. 4 幼児期の運動の在り方 (1)、(2) 1)
幼児期運動指針. 文部科学省(幼児期運動指針策定委員会), 2012-03. 4 幼児期の運動の在り方 (1) 1) 3歳から4歳ごろ
幼児期運動指針ガイドブック 毎日、楽しく体を動かすために. 文部科学省(幼児期運動指針策定委員会), 2012. p.14「①3歳から4歳ごろ」(印刷のページ。分冊PDF 1319748_4_1 の7枚目)
幼児期運動指針ガイドブック 毎日、楽しく体を動かすために. 文部科学省(幼児期運動指針策定委員会), 2012. p.15〜16「③5歳から6歳ごろ」(印刷のページ)
幼児期運動指針. 文部科学省(幼児期運動指針策定委員会), 2012-03. 4 幼児期の運動の在り方 (1) 3) 5歳から6歳ごろ
Up, over, under, through. Government of South Australia, Department for Education(オーストラリア南オーストラリア州教育省。保護者向けの活動案 Learning with your child (GreatStart)), 2025-05-02. 見出し「Why does this matter?」「Language to use」
森川芳彦、西浦修平、松下圭輔、圖子美由紀、多田守、西田智子、青山夕夏、坂井聡. 知的特別支援学校小学部における姿勢・バランスの向上が日常生活動作に及ぼす影響について—作業療法士との協働によるサーキット運動の指導を通して—. 香川大学教育実践総合研究, 48, 45-52, 2024-03-31. 印刷 p.46「Ⅱ 対象・方法」、p.48〜49「指導内容」(1)体育、2)チャレンジタイムの活用)、p.49〜50「Ⅲ 結果」表4・表5、p.51「まとめ」
Blank, R.、ほか. International clinical practice recommendations on the definition, diagnosis, assessment, intervention, and psychosocial aspects of developmental coordination disorder. Developmental Medicine & Child Neurology, 61(3), 242-285, 2019. 5.2.2 推奨22(LOE 1, level A)とコメント、5.5 推奨29
児童発達支援ガイドライン(令和6年7月). こども家庭庁 支援局 障害児支援課, 2024-07. p.15「(2)方法」⑥、p.19「(イ)運動・感覚」
Up, over, under, through. Government of South Australia, Department for Education(オーストラリア南オーストラリア州教育省。保護者向けの活動案 Learning with your child (GreatStart)), 2025-05-02. 本文、「Materials you will need」「Questions to use」
Obstacle course. Government of South Australia, Department for Education(オーストラリア南オーストラリア州教育省。プレイグループの進行役向けガイド Playgroups facilitator guide), 2024-02-26. 「What you'll need」「Ways to develop literacy through play」
Obstacle Course. First 5 California(米国カリフォルニア州の子育て支援の機関). 本文(手順)
幼児期運動指針ガイドブック 毎日、楽しく体を動かすために. 文部科学省(幼児期運動指針策定委員会), 2012. p.38〜39「遊びの工夫の事例②」と【指導のポイント】
Obstacle course. Government of South Australia, Department for Education(オーストラリア南オーストラリア州教育省。プレイグループの進行役向けガイド Playgroups facilitator guide), 2024-02-26. 「Ways to develop numeracy through play」「Ways to develop literacy through play」「Extensions and variations to this activity」「Supporting parent engagement in play」
幼児期運動指針. 文部科学省(幼児期運動指針策定委員会), 2012-03. 4 幼児期の運動の在り方 (2)、配慮事項
子どもの転落事故に注意!-落ちるまではあっという間です。事前の対策で事故防止を-. 消費者庁, 2022-07-20. 本文冒頭、「子どもの転落事故の特徴」
こどもを事故から守る!事故防止ハンドブック(令和8年3月版). こども家庭庁 成育局安全対策課, 2026-03. p.7「遊具(すべり台、ジャングルジム、ブランコなど)からの転落(2歳以上)」注意ポイント1〜4


