ことばの音あそび

3〜5歳(園児)、6〜8歳(小学校低学年)|1回 5〜10分

大人と子どもが、ことばに合わせて手拍子をしている

「り・ん・ご」と言いながら、1音ずつ手拍子をします。「“あ”で始まるもの」を探したり、しりとりでことばをつないだりもします。道具がなくても、車の中や寝る前など、ちょっとした時間に遊べます。

しりとりや手拍子は、ことばの意味ではなく「音」に目を向ける遊びです。ことばを音に分けたり、はじめや終わりの音を取り出したりする力は、特別に教わらなくても育ち始めます。年中・年長の2年間で大きく伸びるとされています13。

4歳後半になると、少し練習すれば、「っ」や「ゃ」などのないことばを、ほぼ正しく音に分けられます。一方、「っ」を1つの音として分けられたのは、5歳でも5〜6割でした12。逆さことばができる子が7割を超えるのは、2音のことばで5歳後半、3音で6歳前半です13。むずかしい遊びは、この順番を目安に少しずつ足せます。大人は答えを急がせず、最後の音を一緒に言ったり、ヒントを出したりする役です。

期待すること

療育での使われ方

しりとりができる子が、半分・4分の3・9割になった月齢7
  • 半分の子56.2か月
  • 4分の3の子64.4か月
  • 9割の子71.8か月

日本の1つの市の保育園の3〜6歳189人(2017〜2020年)。3往復続いたら「できる」としています。56.2か月は4歳8か月ごろ、71.8か月は6歳ごろです。田中ら(2024)より。

用意するもの

遊び方

  1. 「りんご」なら「り・ん・ご」と言いながら、1音ずつ手拍子をする。紙にかいた○を、1音ずつ指で押さえてもよい。おはじきやビー玉はコマにしない81014

    「ばった」を「ばっ・た」と2つに区切っても大丈夫です。はじめは音節で区切り、あとから「ば・っ・た」と区切るようになります

  2. 「“あ”で始まるもの、なあに」と、はじめの音が同じものを探す。身の回りの物や絵カードから選んでもよい11
  3. しりとりをする。つまったら、①「最後の音はなに?」とたずねる、②最後の音を教える、③なかま(「どうぶつ」など)や見た目のヒントを出す、の順に手伝う6
  4. 6〜8歳では、「っ」「ゃ」「ー」の入ったことば(「きって」「でんしゃ」など)で手拍子をしてみる109

やさしくする

  • 2〜3音の短いことばから始める
  • 絵カードや目の前の物から選ぶ形にする
  • 大人が一緒に区切って言う

むずかしくする

  • 「っ」や「ー」の入ったことばにする
  • 逆さことばにする(「いす」→「すい」)
  • ことばから音を1つ抜く(「くるま」から「る」を抜くと?)

止める目安

気をつけること

あわせて試せる工夫

関連する困りごと

出典

  1. National Early Literacy Panel. Developing Early Literacy: Report of the National Early Literacy Panel. National Institute for Literacy, 2008. p.vii(Executive Summary の用語の定義)

    高橋登. 幼児のことば遊びの発達―“しりとり”を可能にする条件の分析―. 発達心理学研究, 8(1), 42-52, 1997. p.42(問題)

  2. 丹治敬之、井上知洋、茂木成友、高橋彩. 年少から年長幼児におけるかな読みと音韻意識の関連. LD研究, 29(4), 245-257, 2020. p.245 要旨

    村石昭三、天野清. 幼児の読み書き能力(報告要旨)昭和42年度「就学前児童の言語能力に関する全国調査」. 国立国語研究所, 1972. p.16 要因⑨

    高橋登. 幼児のことば遊びの発達―“しりとり”を可能にする条件の分析―. 発達心理学研究, 8(1), 42-52, 1997. p.50(実験3の結果)

  3. 高橋登. 幼児のことば遊びの発達―“しりとり”を可能にする条件の分析―. 発達心理学研究, 8(1), 42-52, 1997. p.51(考察)

    大六一志. かな文字の読みの習得としりとりの発達. 発達心理学研究, 10(3)(意見論文特集 pp.230-236 のうちの1編), 1999. p.230

  4. 高橋登、中村知靖. 日本語の音韻意識は平仮名の読みの前提であるだけなのか:ATLAN音韻意識検査の開発とその適用から. 発達心理学研究, 31(1), 37-49, 2020. p.37 要旨

  5. 高橋登. 幼児のことば遊びの発達―“しりとり”を可能にする条件の分析―. 発達心理学研究, 8(1), 42-52, 1997. p.50〜51(総合的考察)

  6. 高橋登. 幼児のことば遊びの発達―“しりとり”を可能にする条件の分析―. 発達心理学研究, 8(1), 42-52, 1997. p.48〜49(実験3の手続き)、p.49 Table 4

  7. 田中駿、牛山道雄、清水里美、郷間英世. しりとりを通してみた幼児の言語発達. LD研究, 33(2), 187-195, 2024. p.187 要旨、p.188 表1(方法)

  8. 嘉手苅瑠輝、足立みな美、井上雅彦. 自閉症スペクトラム児への音韻分解と音韻抽出課題を用いたしりとり指導―ひらがなの読みが未習得であった事例―. 自閉症スペクトラム研究, 19(2), 49-56, 2022. p.49 要旨、p.50〜52(課題と手続き)、p.54(般化)

  9. 海津亜希子、田沼実畝、平木こゆみ、伊藤由美、Vaughn, S.. 通常の学級における多層指導モデル(MIM)の効果―小学1年生に対する特殊音節表記の読み書きの指導を通じて―. 教育心理学研究, 56(4), 534-547, 2008. p.537(指導の内容)、p.534 要旨

  10. 高橋登、中村知靖. 日本語の音韻意識は平仮名の読みの前提であるだけなのか:ATLAN音韻意識検査の開発とその適用から. 発達心理学研究, 31(1), 37-49, 2020. p.39(タッピング課題)

  11. National Early Literacy Panel. Developing Early Literacy: Report of the National Early Literacy Panel. National Institute for Literacy, 2008. 第3章 p.108

    高橋登. 幼児のことば遊びの発達―“しりとり”を可能にする条件の分析―. 発達心理学研究, 8(1), 42-52, 1997. p.49(実験3 音韻分析課題 選択課題)

  12. 天野清. 就学前児童の単語の音構造の分析能力. 国立国語研究所『ことばの研究』3, 51-87, 1967-03. p.79〜80、p.82 第8図

  13. 原恵子. 子どもの音韻障害と音韻意識. コミュニケーション障害学, 20(2), 98-102, 2003. p.101 本文と表3

  14. 子ども安全メール Vol.544 おもちゃなど小さなものを誤飲する事故に注意!. 消費者庁. 本文(事故の例と注意点)

    こどもを事故から守る!事故防止ハンドブック(令和8年3月版). こども家庭庁 成育局安全対策課, 2026-03. p.05「おもちゃなど小さな物で窒息」