お手伝い遊び
- 健康・生活
- 認知・行動
2〜3歳、3〜5歳(園児)、6〜8歳(小学校低学年)|1回 5〜15分

洗濯物をかごに入れる、コップを食卓に運ぶ、テーブルをふくなど、家のことを1つ選んで一緒にします。はじめは大人がやって見せ、少しずつ任せます。できばえは求めず、「ありがとう」で終えます。
小さい子は、大人のすることを手伝いたがります。アメリカ小児科学会は、就学前の子の多くが、簡単な家事を手伝い始められるとしています1。洗濯物をかごに入れる、コップを運ぶなど、ひとつの仕事を遊びのように誘ってみます。
大人は、はじめにやって見せて、一緒にします。慣れたら、少しずつ手を離します。求めすぎたり、できばえを注意したり、仕事を増やしすぎたりすると、子どもは手伝うこと自体を嫌がることがあります5。
洗剤は、子どもの目に触れない、手の届かない所にしまいます。パック型の洗濯用洗剤は、なめたり、かんだり、強く握ったりすると破れることがあります。使ったら密閉してすぐ戻し、濡れた手では触りません。詰め替え用の袋のまま使わず、洗濯機に入れたままにもしません11。熱い飲み物や汁物は、子どもの手が届かないよう、テーブルの中央に置きます。包丁などの刃物は、使ったらすぐにしまいます12。
期待すること

身の回りのことをする技と、家族と力を合わせることを学ぶ機会になります。1

「手伝えた」「役に立った」という経験を重ねます。アメリカ小児科学会は、家の手伝いが自己肯定感を高めるとしています。アメリカの研究では、小学校の最初の学年によく手伝っていた子は、3年生のとき自分を前向きにとらえる傾向がありました。12

靴下の対を探す、洗濯物を仕分けるなどは、色や形、大きさを見くらべる経験になります。児童発達支援ガイドラインも、色・形・大小などの理解を育てる支援を挙げています。369

どうすればうまくいくかを、自分で考える場面にもなります。上海の幼児の研究では、手伝いによく関わる子ほど、問題を解く力が高い傾向がありました。4
療育での使われ方
- 知的障害のある子の特別支援学校では、小学部の「生活科」で手伝いを学びます。物を配る・届ける、片づけ、掃除などを、先生と一緒にするところから始めます。次は先生に助けを求めながら自分から、やがて一人や友だちと協力して行います。家でも取り組めるよう、機会を広げていきます。7
- 児童発達支援ガイドラインは、生活に必要な技を、生活の場面の環境を工夫しながら支えることを挙げています。できることや得意なことに目を向け、「育つ上での自信や意欲」を大事にすることも求めています。お手伝いということばは出てきません。8
- 作業療法の診療ガイドラインでは、家の手伝いは、食事・着替え・遊びと並んで、0〜5歳に土台ができる生活の活動のひとつとされています。10
2歳ごろ
- コップやナプキンを食卓に運ぶ
- おもちゃや洗濯物をかごに入れる
- 服をしまうとき、引き出しを開ける
4歳ごろ
- 郵便物を取ってくる
- ペットにえさをあげる
- テーブルをふく
5〜7歳
- 食事の配膳と片づけ
- 洗濯物の仕分け
- 花の水やり
- プラスチックの食器を洗う
アメリカの CDC の発達の目安(2歳・4歳)と、アメリカ小児科学会の家庭向けの情報(5〜7歳)より。
用意するもの
- 洗濯物(タオル・靴下など)
- 洗濯かご
- プラスチックのコップ・お皿
- ふきん
- 手伝いの表(あれば)
遊び方
- 子どもができそうな仕事を1つ選ぶ。洗濯物をかごに入れる、コップを食卓に運ぶ、テーブルをふく、靴下の対を探す、など3
食卓に運ぶのは、プラスチックのコップやナプキンから始めます。
- 「靴下のペアさがし」のように遊びの名前をつけて誘い、大人がやって見せる
- はじめは一緒にして、慣れたら少しずつ任せる47
上海の幼児の研究では、保護者ははじめに手を貸し、だんだん手を引いて子どもに任せていました。
- できばえは求めない。取り組んだことをほめて、「ありがとう」で終える13
- 終わったら、使った道具を一緒に片づける。手伝いの表に印をつけてもよい57
やさしくする
- タオルなど、大きくて割れない物だけにする
- 色のちがう靴下2組から始める
- 大人がほとんどして、最後のひとつだけ任せる
むずかしくする
- 家族の人数分の食器をそろえる
- 洗濯物を、家族ひとりずつに分ける
- 手伝いの表を見て、自分から始める
止める目安
- 嫌がるときや疲れているときは、見ているだけや、ひとつだけでよしにする
- 大人が注意したり、やり直させたりすることが増えてきたら、量を減らす
気をつけること
- お手伝いの研究は、よく手伝う子の傾向を調べたもので、手伝いが原因かどうかはわかっていません。家で手伝いを増やしたときの効果や、発達が気になる子での効果も、まだわかっていません
- 運ぶ物は、軽くて、割れない、熱くない物にします
あわせて試せる工夫
関連する困りごと
出典
American Academy of Pediatrics. Age-Appropriate Chores for Children. HealthyChildren.org(米国小児科学会), 2024-02-09. 「Have kids start pitching in early」
White, E. M.、DeBoer, M. D.、Scharf, R. J.. Associations Between Household Chores and Childhood Self-Competency. Journal of Developmental & Behavioral Pediatrics, 40(3), 176–182, 2019. 抄録(RESULTS、CONCLUSION)
CDC's Developmental Milestones. Centers for Disease Control and Prevention(米国疾病予防管理センター), 2026-02-17. 2歳・4歳・5歳のページ(Social/Emotional の目安と、親子でできる活動)
Xia, L.、Chen, S.、Hong, X.、Liang, Y.、Cui, L.、Wu, A.. The relationship between involvement in household chores and problem-solving abilities among preschool children and the moderating role of parental scaffolding. Acta Psychologica, 260, 105629, 2025. 抄録
American Academy of Pediatrics. Age-Appropriate Chores for Children. HealthyChildren.org(米国小児科学会), 2024-02-09. 「Making chores part of the family routine」「Keep realistic expectations」
American Academy of Pediatrics. Age-Appropriate Chores for Children. HealthyChildren.org(米国小児科学会), 2024-02-09. 「Some age-appropriate chores for kids」
特別支援学校学習指導要領解説 各教科等編(小学部・中学部)(平成30年3月). 文部科学省, 2018-03. 生活科:印刷 p.23(PDF 31枚目)、「キ 手伝い・仕事」1段階 p.48〜49(PDF 56〜57枚目)、2段階 p.58(PDF 66枚目)、3段階 p.66(PDF 74枚目)
児童発達支援ガイドライン(令和6年7月). こども家庭庁 支援局 障害児支援課, 2024-07. p.15「(2)方法」⑦、p.18〜19「(ア)健康・生活」
児童発達支援ガイドライン(令和6年7月). こども家庭庁 支援局 障害児支援課, 2024-07. p.20「(ウ)認知・行動」支援内容「認知や行動の手掛かりとなる概念の形成」
Clark, G. F.、Kingsley, K. L.. Occupational Therapy Practice Guidelines for Early Childhood: Birth-5 Years. American Journal of Occupational Therapy, 74(3), 7403397010p1–7403397010p42, 2020. 抄録(OBJECTIVE)
Vol.655 洗濯用パック型液体洗剤での事故に注意!(みんなの消費安全ナビ from 消費者庁). 消費者庁, 2024-11-29. 本文(注意点)
こどもを事故から守る!事故防止ハンドブック(令和8年3月版). こども家庭庁 成育局安全対策課, 2026-03. p.5「医薬品、洗剤、化粧品などの誤飲」注意ポイント1・2
こどもを事故から守る!事故防止ハンドブック(令和8年3月版). こども家庭庁 成育局安全対策課, 2026-03. p.11「お茶、みそ汁、カップ麺などでのやけど」注意ポイント1、p.12「キッチン付近の包丁、ナイフでのけが」注意ポイント1



