お絵かき・なぐり描き
- 運動・感覚
- 言語・コミュニケーション
2〜3歳、3〜5歳(園児)|1回 5〜15分

大きな紙を床や壁に貼り、太いクレヨンで自由に描きます。何を描くかは子どもに任せ、形を描かせようとはしません。描いた絵のことを一緒に話して、できた絵は飾ります。
アメリカの目安では、1歳半ごろになぐり描きが見られます11。保育所保育指針の解説によると、1〜2歳の子どもは、はじめはクレヨンを握って手を動かすことや、紙に跡が残ることそのものを楽しみます。やがて線がなめらかになります。形にはなっていなくても、あとで聞くと「ママ」と答えるなど、描いたものに意味がつき始めます1。
大人は、上手に描かせようとせず、子どもが描く世界を一緒に楽しみます。同じ解説も、保育士が子どもの表す世界を一緒に楽しみ、イメージを広げるように関わることを挙げています1。オーストラリアの子育て情報サイトは、子どもに主導させることを勧めています。完璧な絵でなくてかまいません3。
画材は、なめないように見守ります。アメリカ小児科学会は、マーカーは油性より、水性で香りのないものがよいとしています。「子どもの手の届かない所に」「子どもには使わない」と書かれた画材は買わないようにします13。子どもの口の大きさは直径約4cmで、これより小さいものは口に入る可能性があります14。
期待すること

紙に跡が残るおもしろさから始まり、だんだん線がなめらかになります。描いたものに、自分なりの意味をつけ始めます。1



療育での使われ方
- イギリスの公的医療機関の、子どもの作業療法の部門は、3〜5歳の子に、鉛筆より先に、絵の具や砂に手や指で跡をつける遊びを勧めています。壁など立てた面に描くことも勧めています。形は求めず自由に描かせ、はじめは持ち方を気にしないとしています。678
- 日本の児童発達支援センターでも、療育の活動に「造形遊び」を入れている例があります。児童発達支援ガイドラインは、表現する力を高める遊びを通した支援を求めています。910
- 海外では、自閉症の子どもへの芸術を使った支援の中で、絵の具や紙ちぎり、陶芸などを使う方法も試されています。ただ、絵を使った研究はまだわずかです。12

机や床
- 机に座って、または立って描く
- 床に紙を置いて描く

壁や立てた面
- 壁に貼った大きな紙に、立って描く
- ひざ立ちで描く
- イーゼルに貼って描く

外
- 水と刷毛で、塀に描く
- 棒で地面に描く
- チョークで地面に描く
イギリスの公的医療機関の、子どもの作業療法部門の家庭向け資料(2020〜2025年)より。
用意するもの
- 太いクレヨン
- 大きな紙(カレンダーや包装紙の裏でもよい)
- マスキングテープ
- 指絵の具、または水と刷毛(外で描くとき)
- 汚れてもよい服
遊び方
- 大きな紙を、床や机に広げる。壁にテープで貼って、立って描いてもよい47
- 太いクレヨンを渡す。持ち方は直さず、どちらの手で描いてもよい46
- 何を描くかは子どもに任せる。形を描かせようとしない46
- 「この絵のこと、お話しして」と聞く。描いている形を、大人がことばにする145
なぐり描きでも、あとで聞くと「ママ」と答えることがあります。
- できた絵は、冷蔵庫や壁に飾る45
やさしくする
- 指や手のひらに絵の具をつけて、紙に広げたり、点を打ったりする
- 外で、水と刷毛を使って塀に描く
- 子どもが「描いて」と言ったものを大人が描き、一緒に描き足す
むずかしくする
- 「人を何通りに描けるかな」と、いろいろな描き方を楽しむ
- 紙袋や段ボール、アルミホイルに描く。チョークや筆、スポンジも試す
- 大人が描いて見せた線や丸を、一緒にまねて描く
止める目安
- 疲れた様子や嫌がる様子があれば、その日はおしまいにする
- クレヨンや絵の具を口に入れようとするときは、いったん片づける
気をつけること
- 絵を使った支援の研究はわずかで、家でのお絵かきの効果はまだわかっていません
- ペンのキャップやクレヨンのかけらは、使い終わったら子どもの手の届かない所にしまいます
あわせて試せる工夫
関連する困りごと
出典
保育所保育指針解説. 厚生労働省, 2018-02. 印刷 p.180(1歳以上3歳未満児・表現の内容⑥)
保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号). 厚生労働省, 2017-03-31. 第2章 3(2)オ(イ)④⑦、(ウ)②
保育所保育指針解説. 厚生労働省, 2018-02. 印刷 p.281(3歳以上児・表現の内容⑦)
Creative play & activities for toddlers. Raising Children Network(オーストラリアの子育て情報サイト). 「Creative activities: why they're important for toddler learning and development」「Encouraging toddlers to enjoy creative activities」「Art and craft: creative activities for toddlers」
Scribbling, drawing & writing activities for kids. Raising Children Network(オーストラリアの子育て情報サイト). 「How to do drawing, scribbling and writing activities with your child」「Younger children」「Children whose language skills are still developing」「Children who have difficulty with fine motor skills」
Creative play & activities: preschoolers. Raising Children Network(オーストラリアの子育て情報サイト). 「Encouraging preschoolers to enjoy creative activities」「Art and craft: creative activities for preschoolers」
Get Ready to Write!. Royal Aberdeen Children's Hospital(NHS Grampian)作業療法, 2023. 1枚もの「Strategies to try」、本文、「USING TOOLS」
Pre-Writing Skills. Bridgewater Community Healthcare NHS Foundation Trust, Occupational Therapy Service for Children and Young People(英国の子どもの作業療法部門), 2025. 「What activities can help improve pre-writing skills?」「When practicing the pre-writing shapes try the following」「Difference between imitation and copying」
Top tips for developing pre-writing skills. Children and Young People's Occupational Therapy, Fife Health and Social Care Partnership(NHS Fife。英国の子どもの作業療法部門), 2020-05. p.1「Activities」、p.2
児童発達支援センターのご案内. 独立行政法人国立病院機構 七尾病院. p.2【発達障害児の支援について】、p.3「支援内容」
児童発達支援ガイドライン(令和6年7月). こども家庭庁 支援局 障害児支援課, 2024-07. p.15 ⑥、p.19「(イ)運動・感覚」、p.82(別添資料2)
CDC's Developmental Milestones. Centers for Disease Control and Prevention(米国疾病予防管理センター), 2026-02-17. 18か月のページ(Movement/Physical)、2歳のページ(Tips and activities)
Wei, S.、Lai, A. H. Y.、Ho, H. W. H.. The Effectiveness of Art Therapy on Children and Adolescents with ASD: A Systematic Review of RCTs. Healthcare (Basel), 13(22), 2960, 2025. Abstract、3.2「Arts modalities」、Table 1
Balk, S. J.、Etzel, R. A.. Choosing Safe Art & Craft Supplies for Children. American Academy of Pediatrics(HealthyChildren.org。Protecting Your Child's Health(2020)と Healthy Children magazine(2020年秋号)より), 2024-07-16. 本文
子ども安全メール Vol.544 おもちゃなど小さなものを誤飲する事故に注意!. 消費者庁. 本文

