鬼ごっこ
- 運動・感覚
- 人間関係・社会性
3〜5歳(園児)、6〜8歳(小学校低学年)

鬼が追いかけて、ほかの人が逃げます。はじめは大人が鬼になり、逃げてよい範囲を決めて始めます。慣れたら、しっぽとりや、タッチされたら止まって仲間に助けてもらうルールを、子どもと相談して足していきます。
鬼ごっこは、道具がなくても、親子2人からでも遊べます。幼児期運動指針は、5〜6歳ごろに、いろいろなルールの鬼遊びを経験しておきたいとしています4。アメリカの目安でも、4歳ごろに鬼ごっこなどの外遊びを教えることが挙げられています12。ルールがまだ難しい子とは、大人が追いかけるだけの追いかけっこから始めます。
大人の役目は、はじめの鬼と、ルールの調整役です。ルールどおりに遊べない子がいても、かまいません。幼稚園教育要領解説には、先生がルールにこだわらず、その子と手をつないで一緒に動く例が出てきます10。ルールは、遊びながら子どもと一緒に作っていきます9。
期待すること

走る・止まる・よける・跳ぶなど、いろいろな動きを、夢中で遊ぶうちに一度に経験できます。1


ルールを守って遊んだり、みんなで相談してルールを作ったりする経験になります。4〜5歳ごろには、ルールを自分たちで作ることを面白がるようになります。45

親子で一緒に楽しめます。親子で5つの体を動かす遊びをくらべた研究では、鬼ごっこが、子どもにも親にもいちばん楽しい遊びでした。6
療育での使われ方
- 公立の療育機関では、自由遊びやサーキットに走る遊びを取り入れています。「逃げる・追いかける」が加わると、走る方向をとっさに判断する力や、すばやさが育つとしています。3
- 児童発達支援ガイドラインは、遊びを通して少しずつ社会性の発達を支えるとしています。大人が間に入る遊びから、役割を分けたりルールを守ったりする遊びへ進めます。鬼ごっこという名前は出てきません。7
- 小学校1・2年の体育でも、鬼遊びを行います。苦手な子への配慮の例は、捕まらない「安全地帯」をつくる、鬼を1人から少しずつ増やす、やり方を絵で示す、などです。2

4〜5歳ごろ
- 鬼ごっこなど、友だちと外で遊ぶゲームを教わる
- 自分たちでルールを作ることを面白がる

5〜6歳ごろ
- いろいろなルールの鬼遊び
- ほかの子と遊ぶとき、ルールや順番を守る

小学1・2年
- 一人鬼・手つなぎ鬼・子増やし鬼
- 宝取り鬼・ボール運び鬼
- タグやフラッグを取られないように逃げる
日本の幼児期運動指針(2012年、3〜6歳)、アメリカ疾病予防管理センターの発達の目安、小学校学習指導要領解説 体育編(2017年)より。
用意するもの
- 鬼の目印(帽子・お面など)
- しっぽにするタオルやひも(しっぽとりをするとき)
遊び方
- 公園などの広い場所で、逃げてよい範囲を決める。「この線から出ない」「砂場や遊具には近づかない」など811
石が転がっている所、足を引っかけそうな段差、木の枝が張り出している所は、範囲に入れません。
- はじめは大人が鬼になる。最初は捕まえるふりだけにして、少しずつ本当に捕まえる9
「サメだぞう」のように何かになりきって追いかけると、ごっこ遊びのように楽しめます。
- 鬼がわかるように、帽子やお面をつける。タッチされたら鬼を交代する。鬼がなかなか捕まえられないときは、短い時間で交代する28
- 慣れたらルールを足す。しっぽを取り合う「しっぽとり」や、タッチされたら止まって仲間に助けてもらう鬼ごっこなど258
バナナ鬼では、タッチされたら両手を頭の上に上げてバナナになります。仲間に皮をむいてもらう(手を下ろしてもらう)と、また逃げられます。
- 「次はどんなルールにする?」と子どもと相談して、ルールを一緒に作る459
やさしくする
- 逃げるのが苦手な子には、そこにいれば捕まらない「安全地帯」をつくる
- 鬼がなかなか捕まえられないときは、逃げる範囲をせまくする
- ルールどおりでなくてもよいので、大人と手をつないで一緒に逃げる
むずかしくする
- 仲間を助けに行く前に「ケンケン5回」など、動きの条件を足す
- 手つなぎ鬼・影踏み・図形鬼など、ルールを変える
- 6〜8歳ごろは、宝取り鬼など、陣地のある鬼遊びにする
止める目安
- 夢中になって、後ろを見ながら走ったり、人や物にぶつかりそうになったりしたら、いったん止めて範囲と決まりを確かめる
- 鬼ばかりになって嫌がるとき、すぐ捕まってやめたがるときは、鬼を交代したり安全地帯をつくったりしてやり直す
- 息が上がったり、疲れたと言ったりしたら休む
気をつけること
- 鬼ごっこそのものの効果を確かめた研究は、見つかっていません。親子での研究も、1回遊んだときの楽しさや動いた量をくらべたものです
- 鬼ごっこでは、夢中になって周りが見えなくなり、ほかの子や遊具・扉・ガラス戸にぶつかる事故が起きています。逃げる範囲や追いかけ方の決まりを、始める前に伝えます
- 遊具の近くでは、追いかけられて慌てて遊具から落ちないよう気をつけます
あわせて試せる工夫
関連する困りごと
出典
幼児期運動指針. 文部科学省(幼児期運動指針策定委員会), 2012-03. 4 幼児期の運動の在り方 (2) 1)
幼稚園教育要領解説(平成30年2月). 文部科学省, 2018-02. p.148(冊子の印字ページ)
小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 体育編. 文部科学省, 2017-07. p.59「イ 鬼遊び」、p.61「運動遊びに意欲的でない児童への配慮の例」
療育通信「あそびのまなび」2016年3月「幼児期に大切な運動あそび」. 長浜市(児童発達支援センター及びこども療育センター), 2016-03. 本文「『走る』で育つ力」
幼児期運動指針. 文部科学省(幼児期運動指針策定委員会), 2012-03. 4 幼児期の運動の在り方 (1) 2) 4歳から5歳ごろ、3) 5歳から6歳ごろ
育ちと学びをつなぐ ―幼児教育堺スタンダードカリキュラム― 実践事例2「楽しく体を動かそう<しっぽとりで遊ぼう>」. 堺市教育委員会 幼児教育センター, 2018-03. 実践事例2「楽しく体を動かそう<しっぽとりで遊ぼう>」
Filanowski, P. M.、Iannotti, R. J.、Camhi, S. M.、Whiteley, J. A.、Milliken, L. A.. Physical Activity and Enjoyment in Parent-Child Dyads During Shared Physical Activity. Research Quarterly for Exercise and Sport, 92(1), 127-136, 2021. 抄録
児童発達支援ガイドライン(令和6年7月). こども家庭庁 支援局 障害児支援課, 2024-07. p.22〜23「(オ)人間関係・社会性」<遊びを通じた社会性の促進><仲間づくりと集団への参加>
幼児期の運動に関する指導参考資料[ガイドブック]第一集. 文部科学省, 2015-03. 印刷 p.39〜40「鬼ごっこ」(分冊 PDF 1397126_3-2)
幼児期運動指針ガイドブック 毎日、楽しく体を動かすために. 文部科学省(幼児期運動指針策定委員会), 2012. p.16の図、p.40〜41「遊びの工夫の事例③」と【指導のポイント】(印刷のページ)
幼稚園教育要領解説(平成30年2月). 文部科学省, 2018-02. p.34(冊子の印字ページ)
幼児期の運動に関する指導参考資料[ガイドブック]第一集. 文部科学省, 2015-03. 印刷 p.59〜60「鬼ごっこなど、遊具以外の遊びでの事故事例と防止対策」(分冊 PDF 1397128_5-5)
CDC's Developmental Milestones. Centers for Disease Control and Prevention(米国疾病予防管理センター), 2026-02-17. 4歳のページ(More Parenting Tips and Activities)、5歳のページ(Social/Emotional)


