負けると泣く・悔しさを切り替えられない

床のすごろくの前で、負けた子どもが泣いていて、大人がそばにしゃがんでいる

3〜5歳(園児)、6〜8歳(小学校低学年)

トランプやすごろくで負けると、大泣きしたり、カードを投げたりする。負けそうになると、自分に都合よくルールを変える。勝つまで「もう1回!」とやめられない。

負けて泣くのは、勝ち負けが分かってきたしるしでもあります。ある実験では、2歳9か月ごろより小さい子は、勝ち負けで気持ちが変わりませんでした。それより上の子は、勝つと喜びが大きくなりました1。

悔しさも、この時期に味わっておきたい気持ちのひとつです。5歳ごろでも、負け続けて手が出ることはあります。気持ちを受け止めてもらいながら、切り替えていきます2。勝ち負けへの対処は、小学校の低学年にかけて上手になっていきます3。

ゲームの選び方でも、負けたときの様子は変わります。小さい子には、待ち時間の短い、かんたんなゲームが合います4。運で決まるゲームは、負けを受け入れやすくなります5。

一方、園で遊ぶゲームを入れ替えた研究もあります。すごろくや、いす取りなど体を使う競争遊びを入れた期間は、協力ゲームの期間より、攻撃的なふるまいが多くなりました6。どのゲームで増えたのかまでは、分けて調べていません。勝ち負けのあるゲームだけにせず、みんなで勝つ協力ゲームも混ぜてみます。競争が悪いわけではありません。負けとのつきあい方を身につける機会にもなります8。

大泣きしている最中は、話をするより先に、落ち着くのを待ちます。悔しい気持ちは持ってかまいません。止めるのは、たたく・投げるといったふるまいです9。

落ち着いたら、勝ち負けや「上手・下手」より、どう取り組んだかをことばにします。人柄よりやり方をほめたほうが、つまずいたときに自分を責めにくかった、という実験があります。ごっこ形式の小さな研究です7。

勝ち負けとのつきあい方が育つ流れ123

3歳ごろ

  • 勝ち負けで気持ちが動きはじめる

5歳ごろ

  • 負け続けて怒ることもまだある
  • 気持ちを受け止めてもらい、話し合って切り替える

6〜8歳

  • ルールのあるゲームや勝ち負けに、前よりうまく対処できる

1〜5歳の子の実験(アメリカ、1992年)、文部科学省の幼稚園教育要領解説(2018年)、オーストラリアの保護者向けの情報より。

ゲーム中の協力的・攻撃的なふるまいのうち、協力的なものの割合6
  • はじめ61%
  • 協力ゲームの期間86%
  • 競争ゲームの期間37%
  • 協力ゲームに戻した期間86%

アメリカの園の4〜5歳の1つのグループで、遊ぶゲームを入れ替えた研究(1994年の論文)より。競争ゲームには、すごろくなどのボードゲームや、いす取り・鬼ごっこなどが含まれていました。ほかのグループでは、変化はもっと小さいものでした。

考えられる理由

試せる工夫

止める・変える目安

家でできるあそび

出典

  1. Stipek, D.、Recchia, S.、McClintic, S.. Self-evaluation in young children. Monographs of the Society for Research in Child Development, 57(1), 1–98, 1992. 抄録

  2. 幼稚園教育要領解説(平成30年2月). 文部科学省, 2018-02. 第1章第2節「協同性」(印刷 p.53)、「道徳性・規範意識の芽生え」(印刷 p.55〜56)

    幼稚園教育要領(平成29年3月告示). 文部科学省, 2017. p.4 第1章第2の3(4)「道徳性・規範意識の芽生え」

  3. Child development at 6-8 years. Raising Children Network(オーストラリアの子育て情報サイト), 2026-07-24. 本文(勝ち負けと公平なプレーの記述)

  4. Playing fair: tips for kids & parents. Raising Children Network(オーストラリアの子育て情報サイト), 2026-07-24. 節「Consider the age of your child」

    Competition and Cheating. HealthyChildren.org(米国小児科学会), 2004. 本文

  5. Playing fair: tips for kids & parents. Raising Children Network(オーストラリアの子育て情報サイト), 2026-07-24. 節「Winning and losing」

  6. Bay-Hinitz, A. K.、Peterson, R. F.、Quilitch, H. R.. Cooperative games: a way to modify aggressive and cooperative behaviors in young children. Journal of Applied Behavior Analysis, 27(3), 435–446, 1994. p.437〜438 Method、p.441 Results(グループ3)

  7. Kamins, M. L.、Dweck, C. S.. Person versus process praise and criticism: implications for contingent self-worth and coping. Developmental Psychology, 35(3), 835–847, 1999. 抄録

  8. Parlatan, M.、Sığırtmaç, A.. Preschool children's behaviours in competitive games: are these games really harmful to social-emotional development?. Early Child Development and Care, 192(14), 2200–2212, 2022. 抄録

  9. Playing fair: tips for kids & parents. Raising Children Network(オーストラリアの子育て情報サイト), 2026-07-24. 節「What to do when…」

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